調べる楽しさ

 朝、保育者がハサミでカードを切っていると、子どもたちが集まってきた。

 「これ何?」と尋ねる子どもたちに、「春のお花のカードだよ。お散歩で見つけたお花、この中にあるかな?」と答える保育者。「これはタンポポだ」「チューリップの写真もある」とカードの中から知っている花を探している。

 今日のお散歩はこのカードを持って行くことした。「早く行こうよ」「タンポポ探そう」と、いつも以上に散歩を楽しみにしているようで、ワクワク感が抑えられず、ついつい小さくジャンプしてしまう姿が可愛らしい。

 小さな図鑑も用意し、どんな花があるのか、調べながら行こうということになった。

 帽子に靴下、靴を急いで身につけ、図鑑とカードを片手に出発だ。カードと図鑑は全員分ないので、順番に使って欲しいと伝えると、「いいよ」と気前よく答え、大切そうに抱えて歩き出す。

 園を出るとすぐに白い花を発見!早速、図鑑とカードを開いて調べ始める。

 「先生、これかな?」「どこにあるの?」保育者がページをめくっていくと目の前の花と同じ花のカードを見つけた。「ハルジオンだね」と伝えると「はるじおん!はるじおん!」と声に出して言いながら写真を指差している。写真と花を見比べて、「同じだね」と納得の様子。

 ツツジやチューリップ、タンポポなど、次々と見つけていく。先を歩く仁十くんが振り向いて、「みんな〜!お花あったよ!」と叫ぶと、「どこどこ〜?」と全員が駆け寄っていく。そんなやりとりが何度も行われ、花への興味は尽きないようだ。

 いつの間に『みんな』という抽象的な言葉を理解できるようになっていたのだろう。

 呼びかけた仁十くんも、呼ばれて集まる子どもたちも、『みんな』という言葉がわかっているのだ。今までは自分と目の前の相手だけのやり取りだった子どもたちの世界が、どんどん大きく広がっているのだ。

 子どもたちの成長に感動していると、今度はハールちゃんが「みんな!ダンゴムシあったよ〜」と呼びかけている。

 笑顔で駆け寄る子どもたち。保育者がダンゴムシを手に乗せて見せると、ちょっと後ずさりしながらも覗き込むように見る子、指先でチョンチョンと触る子や自分の手に乗せてみる子など、反応は様々だが、皆一様に興味津々だ。

 図鑑にはダンゴムシも載っていて、座ってじっくりと調べる子どもたちもいる。

 カードや図鑑があることで、いつも散歩で見る花や虫について調べる楽しさを感じ、自然に対する興味が益々高まっている子どもたちだった。季節に合わせて図鑑やカードなどを用意して、調べることや学ぶことの楽しさを少しずつ知って欲しいと思った。

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