懐中電灯

 あおぐみの散歩にうみぐみの雅工くんも一緒に行こうと誘うと、初めは「嫌だ。」と話していたが、いつの間にか準備を始めている姿を発見。朝の会も一緒に参加した。

 朝の会の前に、散歩に行くことを何人かに話していたこともあり、侑くんと海翔くんに「トカゲを捕まえるために、懐中電灯が欲しい」と言われていた。「トカゲ」が大好きで、昨日も園庭で3匹見つけていた。

 捕まえたトカゲを虫かごに入れ、そのまま鬼ごっこをしようとしていた彼らは、トカゲに逃げられてしまった。園の柵の外に逃げたトカゲを見て、「また、今度一緒に遊ぼう!戻ってきてね。」と伝えていた。そして、「先生!トカゲと約束したから大丈夫!」とのこと。でも、部屋に入る時に、「あ〜あ。保育園に柵が無くて、どこまでも続いてたらよかったのにな。」と呟いていた。きっと、それが本当の気持ちなんだろう。

 園に柵がない状態は考えられないが、どこまでも思いきりトカゲを探してみたい、遊びたいという気持ちが伝わってきた。

 そんな彼らが今日は、トカゲを捕まえるために「懐中電灯」と「虫かご」を持って散歩。周りの子どもたちもそれにつられ、「懐中電灯、使いたい。」と、興味津々。虫かごも、あおぐみ専用のものが新しく用意されたということもあり、この頃、よく手にしている姿がある。

 散歩に持っていくと、落として壊れる可能性もあるなぁと思いつつも、子どもたちが持っていきたいという気持ちが強く、その思いを汲んで持っていくことにした。

 前置きが長くなったが、ここから散歩。目的地は緑山公園。岩の隙間や草の間を懐中電灯を使って照らしながら探し始める子どもたち。しかし、見つかるのはダンゴムシや蟻ばかり。

 早々に、侑くんたちはトカゲがいないと判断し、探すことを止めた。園庭ではとことん探す姿から、彼らの経験上、もういないと見切ったのだろう。その判断は正しく、トカゲは一向に見つからない。

 「トカゲって、陽が当たるところに出てくるらしいよ。」「穴の中に隠れているんだよね。」など、子ども同士で話しながら、公園中を探すものの、トカゲは出てこない。こういう会話の中でも、トカゲについてよく知っているなと感じる。

 その間、懐中電灯はというと、あおぞらの子どもたちが「貸して。」「私も使いたい。」と自分の気持ちを伝えながらも、相手の様子を伺っている。ジャンケンしたり、その場で交渉したりと様々な方法で、なんとなく順番に手にしている。

 2本しかない懐中電灯。本当は「もっとないの?」と言われていた。が、あえて少ない数にし、一緒に使うためにはどうするかを考えてもらいたいと思っていた。

 人数分準備することも可能かもしれない。物の貸し借り、一つのものをどうやって使ったらいいのかなどを、考える機会は大切だと感じる。その中で、自分の気持ちを相手に伝える、相手の気持ちを考える、話し合うというところで、自分たちの中でいい方法を考えていける子どもたちになって欲しい。

 

 トンネルの中を照らす、穴の中を照らす、虫を照らす。いろいろな場所を照らして遊ぶ姿があった。そして、いつもと同じようにダンゴムシを捕まえては、虫かごに入れている。

 しかし、ここに懐中電灯で照らすという行為が加わっただけで、ダンゴムシを観察する時間がいつもより長くなっていたように感じる。何か新たな道具や環境を手にすれば、いつもの遊びでも、さらに興味を持って関わろうとする姿が増えるということ。そこで、子どもたちが感じる何かが増える。

 「いつものこと、プラスワン」を意識して保育していきたいと思った。 

前の記事

鯉のぼり

次の記事

丸まった!