高さ合わせ

 雨が残っているような空模様の朝。まずは先日やっていた鯉のぼりの続きで、絵の具遊びをすることにした。前回は欠席が多く、初めてやる子もいる。保育者が持ってきた絵の具やローラー、筆を見つめる真剣な表情に、子どもたちの期待を感じる。

 長い障子紙に色をつけていく子どもたち。道具の使い方は様々だ。

 座ったままローラーを転がして、自分の周りを丁寧に色付けていく子。立ち上がって歩きながらローラーを動かして行く子。筆を持った手を大きく動かしてダイナミックに線を描く子もいれば、点々と色をつけ、筆の形に色がつくのを観察する子もいる。

 前回の遊び方を覚えていたのか、ミニカーなどの玩具を使って色をつけようとする姿もあった。かすれたようなタイヤの跡がつき、「先生!見て見て!」と自分がやってできたことの成果を保育者に知らせてくれた。

 こうしてみると、一口に絵の具遊びといっても、様々な遊び方があることがよくわかる。

 絢士くんが、先日色をつけた障子紙に目を貼ってくれた。保育者が目のついた鯉のぼりを持ち上げてみんなに見せると「お魚だね」「鯉のぼり」と自分たちが色をつけたものが、鯉のぼりになったことを理解できているようだった。

 絵の具遊びを終えて、順に園庭へと走って行く子どもたち。園庭に行くと縄やフープを持って電車ごっこが始まった。

 なぜ、今日はみんな、電車ごっこなのか?と不思議に思っていると、絵の具の準備をしている間に、他の保育者が電車ごっこの紙芝居を読んだのだと知って、納得した。子どもたちの中に、電車ごっこのイメージが共通して残っていたのだろう。

 縄跳びの縄で遊ぶうち、ハールちゃんが「縄跳びしよう」と保育者を誘ってきた。そこで、縄の片方をポールに縛り付け、もう片方を保育者が持った。

 保育者と交代でジャンプして遊んでいると、篤煌くんがやってきた。すると、ハールちゃんは縄が結んであるポールへと走りより、縄の位置を一番下に下げた。「小さいからね」と話している。篤煌くんに合わせて高さを変えているのだ。

 そこへ次々と友だちがやってくる。仁十くんやあさひちゃんが飛ぶ時は少し高くしようとするハールちゃん。ハールちゃんは特に何か話すわけではないが、ハールちゃんの意図はちゃんと伝わっているようで、あさひちゃんもポールの縄を動かして、高さの調節をしている。

 仁十くんも空翔くんも、次に跳ぶ友だちを見て、縄の高さを調節し始めた。交代する度に、ポールに走り寄り、高さの調節をするのだった。友だちの身長の違いを認識し、それに合わせた方が跳びやすいと思っているのだろう。

 自分ではない誰かの立場になってみることは、大人でも難しいことだが、子どもたちに自然とそんな発想が生まれていることに驚いた。

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