休み明けの園で

 休園が明け、初めての登園日。保育者がうみぐみ保育室に入ると、広い室内の中で、子どもたちの姿が一箇所に集まっていた。

 「こんなに広いのに、みんな何でそこだけに…」とまで言って、保育者は口をつぐんだ。

 そこは、ままごとコーナー。クラス休園の間に、角田先生のアイディアをいっぱい詰め込み、子どもたちの興味に合った新しい玩具を入れたり、設置したフック1つに対してもねらいを込めたり、そこで遊ぶ子どもたちの姿を思い浮かべながら、担任たちで、一番こだわった場所だ。

 遊びに対する子どもたちの嗅覚は鋭いと、いつも思う。
 大人が思いを込めたことには、いつもすぐに気が付いてくれる。

 園庭に出るとすぐ、滑り台下の大きな水溜りを指し、政尋くんが「また、お水溜まってるね。園長先生に(汲み取ってって)言わなきゃ。でも、バイ菌がいるから入っちゃだめなんだよね」と言った。

 雅工くんは「梅の(実の)赤ちゃん、あったよ!でも、赤ちゃんだから取ってないよ。下に落ちてた。いっぱい!」と、教えてくれた。

 大鳳くんは「なんか、変わってるね」と、新しい写真になった砂場用玩具のラベルを指していた。

 やはり子どもたちは、変化を捉える感覚が鋭い。そして、以前に聞いたルールも合わせて覚えている。

 初めはうみぐみだけで過ごしていた園庭に、乳児クラスの子どもたちもやってきた。

 滑り台下の大きな水溜りは、乳児にとっても魅力の塊だ。そして、好奇心を抑えられなくなった子は、必ずと言っていいほど、その水溜りの中に落ちる。

 今日はにじぐみの子が落ちた。その姿を見て、遠くにあったタイヤを転がし始めた蒼太くん。その姿に惹かれて転がし始めた芙優ちゃんと歩也くん。

 水溜りの中に次々にタイヤを転がし入れていくので、『入っちゃだめ』を伝えるためなのかと思ったら、『また赤ちゃんが転んだら危ないから。』と言っていた。

 やみくもに『だめ』なのではない。そこには、この先を想像して行動しようとする思考力を感じた。

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