自分の気持ちと相手の気持ち

 朝の会で、今日の過ごし方についてみんなで相談していると、  

 奏音・玲音・景護「もう外で遊びたい!」

 芽音・柊介・ひなた「もう少しお部屋で遊んでから外に出たい。」

 見事に3対3で意見が分かれた。お互い、「譲らないからね」の表情。園では、このような場面に度々出くわす。

 自分の気持ちが通らないかもしれないという思いから早々に泣き始める子、腕を前に組み、断固他の意見は受け付けませんと態度で示す子、「先生、なんとか相手を説得してね。」と保育者に目で訴える子など、様々で興味深い。

 ここは、いいアイデアを出してくれるかなという期待も込めて年長の子どもに聞いてみよう。

 保育者「意見が分かれたね。さて、どうしようか。とりさんはどう思う?」

 奏音・玲音・芽音「えー、どうすればいいのかな。…難しい。」

 突然の保育者の問い掛けに驚いたような表情を浮かべつつも、あおぞらやうみの子どもの顔を見つめながら、考え始める3人。

 奏音「ジャンケンで決めたら?」

 保育者「そうだね、ジャンケンで決める方法もあるよね。あおぞらさんとうみさんはどう?」

 景護「ジャンケン嫌だ!負けちゃうかもしれないもん。」

 保育者「ジャンケンで決めるのが嫌なお友だちもいるんだね。」 

 奏音「そっか…。」

 そろそろ何か手助けをしようかと思った時、

 玲音「遅番の名倉先生が来るまで、お部屋遊びで、名倉先生が来たらお外に出るのはどう?」

 その言葉に、「あっ、それいいかも。」という表情の子どもたち。玲音くん、みんなが納得できるいい落とし所を見つけてくれた。

 集団生活では、葛藤する場面がたくさんある。しかし、この葛藤が大切なのだ。葛藤を通して、自分とは違う考えの人もいるということを知る。そして、自分の思いだけで、仲間たちと生きていくことはできないことを知っていく。自分の気持ちと相手の気持ち、どちらも大切だから、お互いが納得できる、仕方ないなそれでもいいよと思える、「落とし所」を見つけていく。

 保育者は、子ども同士の対話がうまくいくように、子どもの気持ちをわかりやすく伝えたり、状況を説明したりする、代弁者であり、解説者である。

 子どもは、日々、他者を知り、自分との違いを知っていく。

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