身近に自然があることで

 今日は雨が降りそうだ。それならば今のうちにと、9時前から園庭へ。
 玄関を出るとすぐに目に入る梅の木の下に、今日は久しぶりに子どもたちの輪が出来ていた。

 『梅の実の赤ちゃんが大きくなるまで』と、木登りは今も中断している。でも、誰かが置いたビールケースに誘われ、木登り好きが久しぶりに集まったようだった。

 子どもたちの姿に誘われ、保育者も改めて梅の木を見ると、まず、4月よりも葉がうっそうとしている感覚を得た。そして、その葉に守られるように付いている実は、4月よりも確実に大きくなっている。
 うみぐみの子どもたちと一緒だな…1ヶ月でも、短い時間でも、生き物は大きくなっていく。

 「葉っぱがたくさん増えてる感じがするね!」と言葉にすると、政尋くんが「梅のジュースにしたら、葉っぱも混ざって汚れちゃうかもね〜」と笑いながら言った。
 その言葉を聞いて、はっとする。大きくなったこの梅の実からジュースが作れるということを、保育者はまだ一度も伝えていない。でも、他の保育者から聞いたのか、昨年行った梅ジュース作りを覚えているのか、家庭で見聞きしたのか、特別な意味はなく言葉にしただけなのか…政尋くんは、梅の実からジュースを作るというイメージをした。このようなイメージの広がりや発想を、保育の中に取り入れられたらと思う。

 その後、「砦行きたいから、開けて!」と言う子たちに促され、人手を確保した後でけやき砦を開放すると、砦の上で実里ちゃんがダンゴムシを見つけた。土も葉もない砦の床を歩くダンゴムシの姿は、何だか特別な雰囲気をまとっている。

 実里ちゃんからは、このダンゴムシを逃したくないという気持ちが溢れ出ていた。でも、砦で遊び回りたいという表情も見えたので、「虫かごがあると良いね」と言うと、実里ちゃんよりも早く、政尋くんやこよちゃんが駆け出して行った。

 「虫かごは、うみさんのトマトたちの近くに置いてあるよー!」と、保育者が言葉で追いかけると、政尋くんは園庭中を探し回ることを楽しんでから帰って来たため、虫かごを持って来たのはこよちゃんだった。

 実里ちゃんのダンゴムシは、こよちゃんのおかげで無事にかごの中に入った。すると、実里ちゃんは満足し、かごをその場に置いて去って行った。

 その後は、虫かごの側を通る度に子どもたちが覗く。こよちゃんも時々、トランポリン遊びをやめては、ダンゴムシを見に行っていた。

 他の子は虫かごの外から眺めていたが、蒼太くんは虫かごを開け、ダンゴムシを手の平に乗せて遊ばせ始めた。
 そのままトランポリンの近くに移動し、近くにいた子にも見せながら遊ばせていると、ダンゴムシが丸くなった拍子に手の平を転がり、そのままトランポリンの荒い網目の中へと吸い込まれていった。

 網目の中を子どもたちと一緒に覗くと、トランポリンの下には一枚の板の層があり、そこに落ち葉が溜まっているのが見えた。

 すると蒼太くんが「あー良かった。葉っぱがあれば大丈夫♪」と言った。
 保育者も知っている。ダンゴムシは、枯れ葉を好物としている。

 身近に自然があることで、心を動かす経験や生命が保障されている。

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