光と影

 前にカラーセロハンと影絵になる「トカゲ」を使って遊んだことがあった。その時は、よく晴れており、太陽の光で浮かび上がってくる「トカゲ」や、「青で葉っぱを見たらどうなるかな?」と、園庭にあるものを、カラーセロハンから覗く世界が、どう見えるのかを検証していた子どもたち。

 「ちょっと、あっちの壁はどうなる?」「砦のところは青で見ると緑っぽく見えない?」「青で空を見ると綺麗だ!」「どうしてピンクとか水色に見えないんだろう。」「鉄棒は透明っぽくなる!」など、気が付いたことをたくさん教えてくれた。

 トカゲはどこに映っているのかを見つけ出すと、捕まえようと走り出す。自分の服に当てて「トカゲがピンクになった。」と影ではなく、模様がつくことも発見していた。

 何か気が付いたことがあると「先生!!ちょっと来て!」と、呼びに来る。そうやって、自分が発見したこと、新たな気付きを共有したいという気持ちが伝わってくる。

 今日の天気は曇り。太陽の光ではなく、懐中電灯を使って遊んでみようと思っていた。この前使ったカラーセロハンを、懐中電灯で照らし出してみる。「お〜!」と歓声が上がった。

 「青と赤を混ぜてみて!」「ピンクもあったよね?」「全部一緒に見たらどうなるの?」など、いろいろとやってみたいことがある様子。さらに、トカゲや星の形が映ることを見せると「あ〜。これ作りたい!!」との声が上がった。

 こうして、自分の好きな形を作ることにした。自分で絵を描いて切り取るということは難しいだろうと思っていたので、いろいろな形をコピーしたものを準備していた。

 ふと、黒い画用紙を手にした勇樹くんが「あれ?なんで細長いの?」と言いながら、机の上にできた影を見ていた。隣にいた海翔くんも「え?本当だ!」と、自分が持っている画用紙の大きさと見比べながら、画用紙をいろいろな角度に動かし、見える影の変化を楽しんでいた。

 そうか。形を作ってみようと提案したが、実際にあるもので試してみても良かったんだなぁと思う保育者。子どもたちの気付きに、保育者も気付かされる。

 その二人。勇樹くんが魚の形を作り上げ、影を映し出していた。その姿を見た海翔くんが、水道に行き、水を流し始めた。どうして急に水?と思っていたら、「ここで魚は泳がせたらいいんじゃない?」とのこと。

 魚は水の中を泳いでいる。そこに影を映し出したらいいということだったのだ。その海翔くんの発想に驚く保育者。勇樹くんも水に映し出した魚を見て嬉しそう。

 自分の作った形を映し出そうと、懐中電灯の光の当て方、床にするか、壁にするか、天井にしようかなど、様々であった。室内をできるだけ暗くしたり、暗い場所も作ってみた。さらに、懐中電灯の 面白さが増したようで、手にして遊ぶ姿が増えた。

  弥生ちゃんは、イルカとライオンを作り上げた。それを壁に映し出し、2匹が追いかけるような動き。「あ〜、イルカがライオンに食べられそう!」という、保育者の話に合わせて、イルカたちを動かし始めた。ストローの持ち手をクルッと上手く動かしている。

 それを見た芽音ちゃんが、自分の作ったブタもイルカとライオンの追いかけっこに参加。

 さらに海翔くんのトカゲも加わり、影絵のペープサートが始まった。

 これはまた、新しい遊びの始まり。物語を作って遊ぶのも面白いかもしれない…と思う保育者だった。

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