思考の育ち

 保育者が友だちが乗るバウンサーを揺らしているのを見ると、礼己くんも一緒に揺らし始めた。時折、友だちの顔を覗き込んだり、頭をそっと触ったり、時に激しくしてみたりしながらバウンサーを揺らす。

 しばらく友だちの乗るバウンサーを揺らしていたが、その友だちがバウンサーを降りるのを見ると、今度は礼己くんがバウンサーに乗った。今まで、友だちが乗るバウンサーを揺らすことはあったが、礼己くんがバウンサーに乗るのは初めてであった。ずっと自分も乗りたいと思っていたのだろうか…などと考えながら礼己くんの姿を見守った。

 礼己くんは座るとすぐに体を前後に動かし、自分でバウンサーを揺らし始めた。その迷いのない動き、まさか、どのように体を動かせばバウンサーが揺れるのかが分かっていたのだろうか?しかし、保育者がバウンサーを揺らす姿を見るだけでは体の動かし方が分かるはずはないのだが…

 驚きと感心の気持ちで、礼己くんの姿を見守っていると…バランスを取りながらバウンサーを下り、今度は逆向きに登り始めた。バウンサーに正座をするように納まると、再び体を前後に動かしてバウンサーを揺らし始めた。バウンサーから落ちないように縁を握りしめ、バランスを上手に取る姿に感心した。最近歩行が安定し始めた矢先に、このような体の使い方ができる礼己くんの姿に、可能性の広がりを感じた。と同時に、きっと礼己くんは自分がどのように動けばバウンサーが揺れるのかが分かっているのだろうとも感じた。なぜならば、自分で強弱をつけて体を動かし、バウンサーの揺れに変化をつけていたから。友だちの乗るバウンサーを揺らしながら、自分の体をどのように動かしたらいいかを考えていたのだろうか。そんな経緯を考え、バウンサー遊びから思考の育ちを感じる保育者であった。

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