同じ世界で生きている
今日は、パークセンターまで散歩に出掛けた。子どもたちと、「亀をみたい。」「この前はね、鴨がいたんだよ。」「今日もいるかもしれないね。」「トカゲも探したい。」と、たくさんの生き物との出会いを期待しながら、出発した。
パークセンターまでの道中でも、蝶々や、ゾウ虫などを見つけることができ、季節を感じながら歩いた。
パークセンターに着くと早速、大田切池へ。亀が重なり合って甲羅干しをしている姿に、「可愛い!!」と見入る子どもたち。その横で、「鴨がこんな近くまで来てる!」と、鴨を発見し、「ガッガッ」という鳴き声に、「こんな声で鳴くんだね。」と新たな発見をしたりと、生き物との触れ合いを楽しんでいた。

ところが、
子ども「きゃー、蜂!!」
池のそばに咲く花の蜜を求めて、たくさんのクマ蜂が飛んでいた。クマ蜂は、丸々黒々していて、羽音が大きいので、確かに驚いてしまうが、実はオスは針を持たず、針のあるメスも滅多なことでは攻撃してこない。
そんなことを子どもに説明していると、またもその横で、
子ども「きゃー、毛虫!!」
この季節は毛虫も多い。毛虫は触らなければ大丈夫。みんなから逃げようと必死で歩く姿は、ユニークで面白い。しかし、子どもたちからは、「嫌い。」「怖い。」「毛虫と蜂はいなくていい。」と声が上がる。

子どもたちの鴨や亀に向ける眼差しと、毛虫と蜂に向ける眼差しの違いをはっきり感じ、これは大人の責任なのかもしれないと、ハッとした。毛虫を見ると、「触ると、かぶれちゃうよ。」蜂を見れば、「刺されちゃうから気をつけて!」と、注意を促してきたことが、もしかしたら、「毛虫や蜂は悪いもの、怖いもの」という認識に繋がってしまったのか。
「毛虫もこんなに一生懸命逃げているのは、みんなに囲まれて怖いと思っているからかもしれない。蜂も、何もしなければ刺さないんだよ。好きになるのは難しいかもしれないけど、蜂も毛虫も、私たちも、みんな同じ世界で生きてるんだよ。」
子ども「同じ、日本ってこと?」
保育者「そうだね。」
子ども「一緒に生きてるのか。」
保育者「人間と同じ、生き物なんだよ。」
大人の行動や発言が、子どもの価値観に繋がっていく。そのことに、改めて気付かされた。