体操教室

 今週の初めから子どもたちには伝えていたが、今日は大鳳くんの最後の登園日だった。
 大鳳くんは、自分が新しく行く場所の名前や、そこには飛行機で行くことなどをよく理解していて、保育者や子どもたちに話してくれた。だから「蒼ちゃんも高知県に行く!」や「彩ちゃんも来るかな?」などのやりとりがあった。

 引っ越しや会えなくなるということの理解が、どこまで出来ているかは分からない。でも、昨日感じたように、今の子どもたちははなぐみの頃よりも、未来を思い浮かべて考えることが出来るようになっている気がして、「お手紙を書きたい人は書こう」と、園庭の一角に、画用紙とクレヨンを用意した。

 「これはパパに書いたの」や「ママにあげる」など、思った通り『お手紙』の贈り先は一人ひとり違っていったが、今日の描画遊びの中には「大鳳くんへ」という言葉と思いが見え隠れしていた。

 その後は、机を並び替え、保育者がサーキットを作った。
 初めに興味を持ったのは2人だけだったが、彩奈ちゃんが「うわぁー、体操教室みたい!」と言いながら、サーキットの隣に元々並んでいたついたての数を増やしていった。すると、新設された運動場へ興味を抱く子が次第に増え、賑わっていく。それから、子どもたちの興味は、近くにあった鉄棒へも広がっていった。

 その新設運動場にて、空璃ちゃんは挑戦意欲を高めながら、少しずつ高さへの恐怖心を和らげていく。彩奈ちゃんの並べたついたての下では、どちらが早くゴール出来るかという競争が始まる。鉄棒では、天と地が逆さになる感覚を、仲間と共に楽しみ始める。

 平均台に、はいはい運動に、鉄棒に…本当に体操教室のようだ。
 保育者は机を並び替えただけ。でも、子どもたちの興味と挑戦意欲を合わせながら、気が付いたら体操教室が出来上がっていた。

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