自分で決める

 「おいで〜」「いくよ〜」友だちを呼ぶ声が響く。先へ先へとはやる気持ちを抱えながら、後ろの友だちを気にして、振り向いては呼びかけている。

 出発前に2つの選択肢を示し、子ども自身が選択して散歩の行き先を決めた。自分がどこへ行こうとして歩いているのかを、わかった上で歩いている。自我の育つこの時期、自分で決めた場所に行くということが、自分の成長を感じるきっかけになる。まだ到着していない目的地をイメージする力も育っていく。

 行き先は陽だまり公園だ。6人での散歩となり、誰が一緒にいるのか、子ども同士もよく把握しているようで、誰かがいないと振り向いて呼びかける。いつも通り、花や虫を見つけては友だちや保育者と見せ合いながら歩く。誰かが登った場所はみんなも登り、一列になって歩く。友だちと関わりながらの散歩は充実している。

 先を急ぎたい仁十くんは先頭を歩く。後ろにはのんびりと歩く朔くん。保育者が「仁十くん、そんなに先に行くと後ろのお友だちと一緒に行けないよ」と距離が開いてしまったことを知らせると、ニッコリと笑顔になり、朔くんの元へと走っていった。

 「いこう!」と明るく呼びかけ、「うん!」と笑顔で答える。何気ないやりとりだが、ゆっくり歩くことを楽しんでいる朔くんを尊重し、朔くんもまた、先頭からわざわざ来てくれた仁十くんになんとも言えない嬉しさを感じているように見えた。誰かを信頼する気持ちはこんなことの積み重ねで出来ていくのかと思いながら、子どもたちの関わりを見ていた。

 お茶の時間には、少し離れた場所にいるハールちゃんにコップを持っていく恋羽ちゃんがいた。「自分で行くからいい」と言われてしまったものの、友だちの様子をよく見ていると感心する。自分の気持ちをはっきりと伝えるハールちゃん、気づいて行動に移した恋羽ちゃん、こんな些細な出来事の中でも自分の気持ちや考えを伝え合っている。

 陽だまり公園のブランコでは友だちの背中を優しく押す姿もあった。保育者を頼ることなく、自分たちで次々と行動していく子どもたち。もちろんまだまだ出来ないことも多いが、一つ一つの行動に、自分で出来るようになったことの喜びを感じる。これからも、子どもたちの「やってみたい」「自分でやりたい」のきっかけを作っていきたいと思う。

 帰り道は少し遠回りして、忍者になって探検ごっこ。飛び石をジャンプし、ヘビイチゴを摘み、工事のトラックの横を通るときは、忍者になりきって、サササッと歩く子どもたちだった。

 大田切池グループは行き帰りの道で蝶を見つけ、帽子で捕まえようと追いかけて遊んだ。

 園庭では砦の登り下りをして、保育者や兄弟と楽しく遊んだ。

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