仲間意識の芽生え

 「行くぞ!」という匡くんの声が聞こえると、ハッとしたように顔を上げ、歩き出す子どもたち。今日の散歩は園周辺の探索だ。

 水路の中を歩いていると、すぐに斜面へと到着した。

 斜面を見るとすぐに登り出し、あっという間に1番上まで到達。「先生もおいでよ!」と誘われ、一緒に登ってみた。石がゴツゴツと埋め込まれている斜面を歩くのは、想像以上に体幹がものをいう。小さな身体でひょいひょいと登りきる子どもたちの身体能力には驚いた。

 その後、斜面横の階段を上り下りした。友だちの行動に興味を持ち、1人がやり始めたことを全員で真似る。数名が階段を登り始めると、「待って!ハーちゃんも行く!」と声が上がった。その声に振り返り、足を止めて待つ子どもたち。ハールちゃんが追いつくと、一緒に階段を登り出した。

 きっと、階段の上に何があるのか、興味深く感じていたであろう子どもたち。それでも、自分たちを追いかけてくる友だちを、立ち止まって待っている姿に仲間意識の芽生えを感じた。

 駅方面に歩き出した子どもたちは、「おにぎりの石」や「花」、「電車みたいにビューンってなるやつ(樹皮)」等、興味のあるものを拾いながら探索をした。

 自分が拾ったものを友だちに見せながら、「おにぎりの石!見つけた!おにぎりしてるの。」「ねえ、これお花だよ。綺麗でしょ。」「わあ〜!」「えっとね、これはね、電車みたいにビューンってなるやつなの。」と会話をする。気持ちや考えを言葉にして伝え合うたくさんの姿があった。

 帰り道、「絢士もう疲れた…。」と言って立ち止まる絢士くんに、「もう少しだぜ!」「けんちゃん、ほらもう見えてきたよ。あとちょっと歩いてみよっか。」と声を掛ける匡くんとハールちゃん。後ろの方を歩いている篤煌くんや詩くん、鷹次くんを何度も迎えに行く正幸くん。

 声を掛ける、迎えに行く等、手段は違えど、友だちの存在を意識し、「一緒に」という思いを持って関わり合っているのだろう。

  暑さもあり、ヘトヘトになりながらも、互いに励ましあって園を目指す子どもたちの姿にも、なんだか仲間意識の芽生えのようなものを感じた。

 大田切池や園庭で遊んだ子どもたちは、虫を探したり水に石を落としたりと、興味のある遊びを楽しんでいた。

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