まさかの…

 朝の集まりのため、木の部屋に行くと、すでに椅子が円形に並べられていた。「先生が来るの遅いから、並べておいたよ。いつも先生がしてるもんね。」と弓乃ちゃん。大人の姿をよく見ていること、そして、朝の会は、自分たちのための活動で、自分たちが楽しんで進めていくもの…そんな期待感が育っていることを感じて嬉しくなる。

 あおぐみでの生活になって2ヶ月が過ぎようとしている。とり同士、あおぞら同士でいる姿が多かった。関わりがないわけではないが、少し意識的に関わる時間を作ってみようと思った。そこで、「とりとあおぞらでの二人組を作ろう。」と声を掛けた。

 すぐにペアになったのは芽音ちゃんと勇樹くん。その他の子どもたちは、じっと周りを見回して様子を見ている。「どうしたの?誰と一緒になる?」と声を掛けると、少しずつ動き始める。

 何も言わずにその友だちの前に立つ、手を差し伸べる、という姿はあるが、「〇〇ちゃん」など、名前を呼んで声を掛ける姿がないことに違和感を感じた。もしかすると、名前がまだわかっていないのかな?!と思って確認をする。

 しかし、いつも朝の会の前には、「あれ?あおぐみ少なくない?」「あ、まだ悠翔くんと雪ちゃんが来てないか。」「颯太くんも?」と子ども同士で話しをしていることが多かったので、まさか、そんなことはないだろうと思っていた。

 そこで、とりの子どもたちに、自分がペアになったあおぞらの子どもの名前を尋ねてみる。「ちょっと、わからない」「どっちかわからない」という答えが返ってきた。時には一緒に遊ぶこともあるが、名前には関心がなかったのだ!

 確かに、「ねぇ!」と声を掛ければ名前を呼ぶ必要はない。しかし、縁あって、同じクラスになった仲間たち。遊びの中でも、意識的に名前を呼んでいきたいと思った。

 二人組で前に出て、カラーセロハンを使って即興の劇のようなやりとりや、色当てクイズなどを披露する時間を作る。お互いにまだ少し緊張している様子もあったが、繰り返して遊ぶ中で、どう変化してくのかを見ていきたい。

 以前、あおぞらの子どもたちが比較絵を描いたことを覚えているだろうか。今日はとりの子どもたちに声をかけ、比較絵の活動を設定した。

 「比較絵って覚えてる?」と尋ねてみる。 奏音くん「うん。先生の顔を描くんでしょ。」 侑くん「前は吉村先生描いたよね。」と、よく覚えている。

 「じゃ、今回は吉成先生の顔を描くってことでいいの?他に『これが描きたい』というものはない?」「うん、吉成先生の顔を描くよ。」との返事。好きなものを描いていいよと言われて、困惑することもあるので、まずはテーマを提示する。ただ、一度経験したから「比較絵はそういうもの」と定式化されているのであれば、少し考えていかないといけないとも思った。

 「クレヨンじゃなくて色鉛筆がいい。」という子どもも多く、自分の好きな画材で描いていいことを伝える。

 担任の顔を見ながら描くというよりも、自分の中のイメージを表現しているという姿もあった。忠実に描写するよりも、先生ってこんな感じだよね?という様子で描き上げているようにも見える。

 描きあげた絵をじっと見つめながら、持ってきてくれる子どもたち。絵を担任の顔の横に並べ「どう?似てる?」と問いかけると、「うん。似てる!」と笑顔で答える子が多かった。是非、ホールの作品を鑑賞して欲しい。

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