手近なもので

 今日はあおぐみになってから初めてのおにぎりの日。子どもたちも朝からおにぎりの話題で持ち切りだ。

 行き先は「うずまき公園」。海翔くんのお勧めの場所ということで決まった。何度も行ったことがあるからこそ、その魅力をわかっているのだろう。行きつけの店には何度も行きたくなる。よく考えてみると、それは大人でも同じ。

 いろいろなものを発見し、ブルーベリーに似た木の実を見つける。「ブルーベリーって、色がつくんだよね。これもつくかな?」「ブルーベリーって食べられるけど、これは食べられないよね。」「見るだけにしたら?」など、ひとつのものに対して、子どもたちの様々な意見が出てくることが面白い。

 うずまき公園に着くと、トカゲを探したり、「何する?」と日陰で相談する姿、お茶を飲んでゆっくり寛いぐなど、それぞれであった。

 その中で、木の枝を使って遊ぶ結希人くんと勇樹くんを見つけた。「何してるの?」と尋ねると、「野球」とのこと。

 木をバットに見立て、小さい木をボールにしていた。なるほどと感心しながら、ボールに変わるものが何かあるといいなと思って、拾ったどんぐりを「これはどう?」と手渡してみる。「いいね!」と言って、さっそく投げてみるのだが…。

 「どんぐりだと、小さすぎて打てないし、どこにいったか分からなくなる。」とのこと。確かにそうかもしれない。本当は松ぼっくりくらいがいいのだが、あいにく近くには落ちてなかったのだ。

 「じゃ、仕方ない。やっぱり枝か…。」と、再び枝に切り替えたので、それが人に当たってしまうことも考えて、保育者が程よい長さに整えた。

 結希人くんは野球の経験があるので、「もう少し後ろに下がって」「投げるのは先生がいいかな。」「僕の次は勇樹くんでいい?」「芽音ちゃんもやる?」など、いろいろなことを伝えていた。

 「バッター。横川 結希人くん。あおぐみ。」「第1球投げました。ストライク!」「第2球、ストライク!」「第3球、ヒット!!」などと、保育者が実況中継を始めると、周りにいた子どもたちもと加わってくる。それをまた、結希人くんが「じゃあ…」と言って、あれやこれやと交通整理をしている。

 そうやって、手近にあるものを利用して、自分たちで工夫をしながら遊ぶ姿に成長を感じた。

 そうした中、とりの女の子たちがシートの上でお茶を飲みながら、「先生、まだ帰らないの?おにぎり食べたい。」と声を掛けてきたのが11時10分。

 「え?まだ帰る時間ではないけど。11時30分に出ようと思っているけれど。」と、腕時計を見せながら伝える。「え?まだまだじゃん。」と表情を曇らせる子どもたち。いつもなら、ずっと公園にいようとするのに、本当におにぎりが待ち遠しいことが伝わってくる。

 園に戻り、おにぎりを頬張る子どもたちは、満面の笑顔であった。

前の記事

それぞれが水と

次の記事

初めての氷遊び