見つけてほしいような、そうでないような

 梅雨の始まりを伝えるように、一日中振り続けた雨。

 しろぐみでは梅ジュースの仕込みをした。子どもたちに、梅とお酢と氷砂糖を入れる手順を伝えるのだが、

 保育者「まず梅を入れます。」  子ども「氷砂糖食べる?」

 保育者「どうかな。さあ、氷砂糖を入れるよ。」 子ども「氷砂糖食べられる?」

 と、もう氷砂糖を食べること以外考えられない様子。おやつとして氷砂糖がそれほど美味しいとも思えないのだが、園で食べられるとなれば別だ。普段食べられないものを、ちょっと隠れながら(隠れる必要は全くないのだが)食べる喜びは保育者にも分かる。

 そこで、「特別だよ。」と氷砂糖を一つずつ配ると、子どもたちは大事そうにぺろぺろと舐め始めた。「甘い!」「美味しい。」「全部は口に入れないんだ。舐めた方が長持ちするもん。」「僕もそうする。」「私も。」などと言い合いながら、保育者から「もう次の活動に移るから食べ終わって。」と伝えられるまで終わらない子どもたちだった。

 梅ジュースづくりの後、宝探しゲームをして遊んだ。「しろがみチーム(とり)」と「恐竜の骨チーム(あおぞら)」に分かれて、宝を隠して探し合う。

 玲音くんは宝物を握りしめ、「あ、ここはどうかな。やっぱり見つかっちゃうかな。」と言いながら、「絶対に見つからない所に隠す!」と意気込んでいたのだが、他の子が、玲音くんの隠し場所を教えてしまったので、早々に見つかってしまった。玲音くんは「なんで教えるんだよ。」と憤慨。

 再び、隠す順番が回って来ると、「今度は絶対に見つけられないよ。」「(隠し場所を知っている友だちに)絶対に教えないで。」とみんなに声を掛けていた。

 玲音くんの願い通り、隠した宝はなかなか見つからない。しかし、今度は逆に「なんかな。この辺なんだよね。まだ見つかってないのがあるんだよな。」と自分からヒントを出し始めた。すると、すぐに宝は見つかり、玲音くんも笑っていた。

 「見つからないで」と思いながら「見つけてほしい」という相反する思い。これは、勝負にドキドキしながらも、早くホッとして、友だちと今の楽しさを分かち合いたいという、複雑な感情の育ち。色々な思いの狭間の中で、揺れ動きながら遊ぶ玲音くんだった。

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