作戦会議

 今日は、晴天とはいかなかったが、雨は上がっていたので、ひだまり公園に散歩に出かけることにした。

 公園に着くと、早速「先生、一緒に鬼ごっこやろう!」と、菜美栄ちゃんから誘われたので、他の子どもたちにも呼びかけて、一緒に遊ぶことにした。

 最初は菜美栄ちゃんの鬼で始まった。しばらく遊んでいると「今度は」と言って、鬼になりたいという子が何人か出てきた。すると菜美栄ちゃんが「鬼やりたい人、一回こっち来て!」と、公園の端にやりたい子たちを集めた。

 気になった保育者が近づこうとすると、「先生は来ちゃダメ!」言われたので、少し離れたところからそっと耳をすませて、子どもたちの様子をみることにした。

 菜美栄「まず鬼の人は帽子を白にして。」

 子ども(帽子を白に変える)

 菜美栄「捕まえる人を決めようよ。なっちゃんは先生捕まえるから、誠君たちは誰捕まえたい?」

 子ども「僕、玲音ちゃん捕まえる!」「俺、こうちゃん。」「僕も!」

 菜美栄「じゃあじゃんけんだ!」

 早速、じゃんけんをする子どもたち。

 菜美栄「よし、決まり!じゃあ今決めた人捕まえるんだよ!よし行こう!」

 保育者が近くに行ってはいけなかったのは、作戦会議だったからのようだ。

 しかし、実際には、作戦通りにとはいかなかった。それぞれが捕まえる相手を決めていたはずなのに、みんなのやる気が空回りしたのか、誰彼見境なく追いかけている。すると「ちょっと待って!鬼の人もう一回集まって!」と、菜美栄ちゃんがもう一度鬼を招集。再度作戦を確認するのだった。

 そして、再トライするのだた、やはりうまくいかない。「みんな違う人追いかけちゃうんだよなぁ」と、頭を抱える菜美栄ちゃん。するともう一度鬼を招集して、今度はわかりやすいように、一斉に追いかけるのをやめ、順に一人ずつ追いかけていくという作戦を考え出していた。うまくいかない原因を自分なりに分析し、その上で新たな作戦を考え出す姿に、本当に感心した。

 他の子どもたちも、誰一人として菜美栄ちゃんに反発する者はなく、菜美栄ちゃんをリーダーだと認め、信頼し切っているように見える。そして、他の子どもたちが「こういう作戦はどう?」と提案すると、「それもいいね!」と取り入れていた。保育者の介入がなくとも、互いの意見を交換し合って作戦を練り上げていく姿に成長を感じたのだった。

 その後も、順に二人ずつ追いかける作戦や、隠れてだまし討ち作戦など様々な方法で挑んでいく鬼の子どもたち。ついには、自分も一緒に考えたいと、鬼の人数の方が多い鬼ごっことなっていった。

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