走る、走る、走る

 「ヤァーッ、トォー」「シュッ、ヤッ」と、かっこいいポーズを決めながら、ヒーローになりきっている。

 大田切池へ散歩へ行こうと園の入り口に集まったメンバーは全員男の子。キックやパンチの動きをして、お互いを敵に見立てて遊んでいる。キックが当たりはしないかと、保育者はヒヤヒヤする。

 最近、はなぐみの男の子たちはヒーローごっこが大好きになってきた。ジャンプやかけっこも上手くなり、腕を大きく回したり、片足を上げたりする複雑な動きができるようになり、体を動かしたくてたまらない時期なのだろう。ヒーローのかっこいいポーズができるようになった自分に自信が出てきて、やってみたくてたまらないのだ。

 一応、「キックがお友だちに当たったら、痛いよ」と伝えてはみたものの、それでこの楽しみが終わる訳が無い。子どもたちの「全身を思いっきり動かしたい」という欲求に応えるべく、沢山走って、クタクタになり、心地よい疲労感が残るような散歩をしようと考えた。 

 園から外へ降りる階段も普通に降りたりはしない。横の斜面を歩き、手すりにぶら下がったり、ジャンプしながら降りたりと、それぞれの工夫で全身運動しながら降りていく。

 外へ出ると、早速走り出す。いつもは「先生の前を歩かないでね」と伝えているが、今日は少しくらいは大目に見よう。こんな時、園周辺の遊歩道が整備された環境に助けられる。周囲に気を配り、歩行者の迷惑になったり、自転車が来ていないかを確認しながら保育者も一緒に走る。

 保育者が走ることで、子どもたちもスピードアップ!歓声をあげながら走り続ける。大田切池までの一本道を先へ先へと走る子どもたち。

 そろそろ一旦止まろうかと思っていると、「あじさいだよ」「ダンゴムシだよ」と走りながらも、発見したものをみんなに報告する。その報告を聞いて、みんな集まってくる。ちょうどいい一休みだ。

 誰かの発見をみんなで観察してから、「そうだ、お魚見に行くんだった!」と一人が気づいて伝えると、「そうだったよ」とまた走りだす。

 そんな調子で走りづつけ、あっという間に池に到着。いつも通り、魚や亀に挨拶した後、階段横の手すり状の斜面で遊んだ。幅が狭いので、うつ伏せになってズリズリと少しずつ降りている。大人に教えられなくても、どうやったら安全に、でもちょっとスリルを感じながら遊べるのか、自分たちでその方法を見つけているのだ。

 帰り道は疲れてゆっくり歩くかと思いきや、やっぱり走っていく。とにかく走りたいのだ。園に到着する頃には「はぁはぁ」と息をきらしている子もいたが、疲れた表情は微塵もなく、園庭を小走りに部屋へと帰っていった。

 園庭ではボール遊びや梅拾いをして遊んでいた。友だちと触れ合いながらパンダ公園まで出かけると、それぞれが好きな遊具を見つけて遊んでいた。

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