10m?

 今日の朝の会に実蒼ちゃんが大きな手作りヘビを持ってきて発表した。

 ホールに貼ってあるヘビの写真はご覧いただけただろうか。1m以上はありそうな立派なアオダイショウ。実はこれは実蒼ちゃんのお家の敷地にいたものを、お父さんが写真を撮り、プリントアウトして持ってきてくれたものだ。

 それを先日の火曜日にホールに掲示すると、「どこにいたの?」「すごいヘビじゃん。怖かった?」と質問攻めに合う実蒼ちゃん。その一つ一つに答えていたが、「どのくらいおっきかった?」と聞かれたときに困った表情を浮かべた。

 「このくらいかな?」と手を広げるが、「もっとおっきかったような…どうだったかな。」と大きさを上手く表現できず、自分でもそのことに納得できない様子だったので、「記憶を頼りに実際に作ってみたら」と提案すると、夢中になって取り組み、今日の発表に至ったのだった。

 背中の反射の具合まで、見事に再現されたヘビに触りたがる子どもたち。そして、実蒼ちゃんから提案が一つ。

 「ヘビをたくさん作って、お化け屋敷しない?」

 多くの子が賛成したので、「しろがみ」と「恐竜の骨」の2チームに分かれて話し合うことになった。

 「しろがみ」では、世界で一番大きいアナコンダの話になり、図鑑で調べると、大きさが10mだと分かった。しかし、10mという長さがよく分からない。

 「10m!」「100くらい?」「コニ(小西)の2人分くらい?」「もっと大きいかな。」

 子どもたちの意見はバラバラ。そこで園長先生からメジャーを借りて大きさを測ってみた。

 「ここまでが5m。大変だ。5mまでしかない!」

 そこで、もう一つメジャーを借りてきて、それを繋ぎ合わせてやっと10mが分かった。

 「え?こんなに大きいの。」「でかい!」「こんなのいるんだ。」

 大きさを実感したことで、あらためて、驚きと怖さも感じたようだ。

 とりさんと言えども、まだ長さの単位ことなどはよくわからない。しかし、自分で見て感じた長さの実感と、○○メートルといった言葉が繋がっていくと、だんだんと単位というものの意味がわかってくる。だから、こういった体験が大事なのだ。

 ヘビの大きさを感じたことでイメージが湧いたのか、「他のお化けを作りたい。」「コウモリを作ったらいいんじゃない?怖い子にはピンクで作るとか。」「来た人にプレゼント作りたい。」など、たくさんの意見が出てきたので、ぜひ形にしていきたいと思っている。

 「恐竜の骨」はチケット作りをすることになった。思い思いに紙にチケットの図柄を描き、ハサミで切っていく。

 自分のイメージを形にしていくことは、簡単ではないはずなのだが、「一つ目お化けチケット」「アナコンダチケット」「ハートチケット」などを次々に作り上げていく。みんな、うみの頃から製作が好きで、たくさん経験を積んできたからかな、などと考えていると、作った作品を持って帰りたいという声が上がった。やはり、なんといっても、一番身近な人に見せたい、認められたいと思うものなのだ。

 そんな時だった。

 直也「僕も、おうちに帰りたい!」

 みんな動きが一瞬止まる…そして、その後大きな笑いが巻き起こった。「ちょっと間違えちゃった。」と照れる直也くん。

 「それは持って帰るでしょ。」「間違えちゃったね。」「持って帰るが、おうちに帰るになっちゃったんだね。」と、今の面白さを語り合う子どもたちに、成長を感じた保育者だった。

前の記事

ピーマン洗い

次の記事

おはしのはなし