これ何だろう?

 園庭のプランターに植えられている野菜を見つけ、「これ何だろう?」保育者に尋ねる。

 あえてすぐには答えずに、「んー、これ何だろうね。」と、一緒に野菜を観察しながら考えた。「なんかさ、いちごの形してる!」「ハッピーハロウィンみたいだよね?」と子どもなりに似ている物を思い浮かべているようだった。

 しばらくすると、「ねえ!佐藤先生!ちょっとこっちに来て?」と別の保育者を呼ぶ。

 「これ何だと思う?」と尋ねられた佐藤先生は、「え〜、何だろう。匂い嗅いでみる?葉っぱの匂いを嗅いでみたら分かるかも!」と提案すると、一緒に鼻を葉にくっつけて匂いを嗅ぐ。「野菜かな?」と気が付いたようだった。

 そこに名倉先生が通りかかった。「あ!これかぜさんが育ててるから、名倉先生に聞いてみたら分かるかも!」と呟くと、「なになに?」とそれに気づいた名倉先生。子どもが「あのさ、これ何?」と尋ねると、「トマトだよ!」とのこと。

 その後、北原先生がやってくると「これトマトだって!」と伝える。「トマトなんだ。もう食べられるかな?」と尋ねられて、少しの間黙っていたが「食べられないよ。」と答えた。

 「いつになったら食べられるのかね。トマトって何色だっけ?」と再度問われると、「赤!」と即答。「でもさ、これ赤じゃないね。」と言われると、「うん。だから食べられないのかな?」と色との関係性に興味を持ったようだ。

 食のことで困った時はこの人に聞くのが1番!一緒に給食室へと向かった。

 給食室の扉を開け、「トマトいつになったら食べられますか。」と質問する子ども。給食室に居た稲葉先生に、「トマト?何色だった?」と聞かれた。「緑!」と答えると、「緑か〜。緑のトマトはまだ赤ちゃんだから、赤くなるまで「大きくなれ〜!」って応援しながら待っててあげて!」とのこと。

 それを聞くと直ぐに靴を履き、真っ先に北原先生の元へ向かった。そして、「北原先生!トマトは赤くなるまで待った方がいいんだって。」と伝えると「そっか、あれは緑だから食べられないの?」と問われ、「そうだよ!」と答えると、砂場へと向かった。

 気になったことを、色々な保育者に尋ねていく姿に探究心、知り得たことを直ぐに保育者に伝えに行った姿には、言葉でやり取りをして、人と関わることを楽しむ様子が感じられた。

 知りたいことの答えもさることながら、そこへ辿り着くまでのプロセスが重要なのだろう。

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