小窓の向こうに
満開の桜のもと、「誠美保育園」改め、「幼保連携型認定こども園せいび」として迎える、初めての春。
昨年度から、「4月からも、何も変わらない毎日」とお伝えしてきてはいたのだが、蓋を開けてみると、行政とのやり取りを中心とした事務手続きについてだけは、「何かと変わっている毎日」に、少し戸惑いを感じているところ。
そして、こども園になりながら、当園のドメイン(アドレス)名が、HOIKUEN.JP(ホイクエン ドット ジェイピー)というのも、さすがに紛らわしいかなと、
KODOMO.TOKYO(コドモ ドット トーキョー)
へと移行する予定なのであるが、この少し大げさなドメイン名も、その心意気に免じてお許しいただきたい(当分の間、メールは、どちらのドメイン名でも大丈夫。)。また同時に、ホームページも目下リニューアル中なので、しばしお待ちを。
そして先日、まだ一つ、忘れていることがあることに気づいたのだった! そう、それは駐車場入口の脇に立つ、ガラスブロックの「せいび保育園」のサイン。
とうの昔にこども園移行を済ませていた先輩園から、制度上の手続きや体制作りに追われるあまり、看板にまで気が回らなかったという話を、以前から聞いていたので、同じ轍は踏むまいと決心していたはずなのに…。
実はこのガラスブロック、もう10年以上も前に、多摩美術大学とタイアップをして園庭改修を実施した際、学生たちが制作してくれたものなのだ。
サインの傍で腕を組み、さて、どうしたものかとこれを眺めていた時、「せいび」とひらがなで制作されていたことに、改めて気づいた私。ならば「保育」を取って、「せいび」と「園」を並び替えればなんとかなるかと、この偶然にほくそ笑むも、「こども園せいび」は7文字であることに気づき…どう指を折っても、あと1枠が足りない。
とりあえず、そこは後から考えるとして、このひらがなを生かし、「文字だけでも並べ変えてみよ〜っと」、そう軽〜く考えて解体を始めたのが運の尽き。
思いの外、ガラスブロック一つ一つのサイズがバラついていたため、別の枠にはうまく収まらず、かと言ってもう後戻りするのも悔しくて。ついに、木枠をノミで削りながら押し込んでいくという、大仕事に発展していったのだった。
そして、数時間の後に完成したのが、あのトップにある写真。何度眺めてみても、苦労の割に、そこに、あまり達成感を感じないのが…少し悲しい。
それにしても、「こども」の3文字はどうしたものか。観光地にある記念写真の看板よろしく、残されたこの2つの小窓から、子どもたちが顔を覗かせたら、まさに「こども」の完成!…なんて…そんなわけには、いきそうにない。
さあ、兎にも角にも、この窓の向こう側で、それぞれの物語が始まっていく。
新入園児も、進級園児も、
ようこそ、こども園せいびへ
(園からの便り「ひぐらし」2021年4月号より)