学びのはじまり

 園の玄関の引き戸を開けると、その正面に、「よろしくの棚」と書かれた野菜売り場の陳列棚にも似た無骨な手作りの台が目に留まる。  これは、子どもたちにお願いしたいちょっとした仕事を置いておくための棚。いつも身近にいる担任た […]

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ヒゲノート
目覚めの先で

 まだ半袖の肌の上を、すっと涼し気な空気が撫でていく…9月にもだいぶ入った頃、ようやくそんな日も訪れるようになってきた。  すると、下ろしていた腰を上げ両腕で伸びをすると、どのクラスも今とばかり、続々と園庭、園外へと繰り […]

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ヒゲノート
沈黙の夏

 キラキラとした真夏の光をまといながら舞い上がるプールの水しぶき。それをのけ反り避けるように体ひねれば、虫取り網をかざして園庭を駆け巡る一団が、目に飛び込んで来る…そんな夏の光景は、もうなくなってしまうのだろうか。  今 […]

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メダカの教え

 知人にもらったメダカの飼育を、園の玄関前で始めたのがちょうど一年前。遅ればせながらメダカデビューを果たした入門者の驚きや戸惑いを、このひぐらしにも記したことを覚えている(「睡蓮鉢、覗けば」令和5年7月号)。  あの夏、 […]

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ヒゲノート
みんなで生きるワケ

 今年は梅雨入りがずいぶんと遅れ、その分早めに到来した真夏日に、少し様子を伺いながら外遊びに向かう6月。  昆虫の飼育、野菜の栽培、園庭のビワやヤマモモの収穫…初夏の保育日誌は生命と向き合う場面であふれていく。  はなぐ […]

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ヒゲノート
緑の風を吸いながら

 もう越えたはずの年度替わりが、5月にもう一度やってくる。暦のいたずらか、ようやく園生活にも慣れようとしたその時、大型連休に突入するからだ。  少し後戻りしたかにも見えるGW明けを、そっと保育者に支えられながら、また園生 […]

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ヒゲノート
遅くなるにもほどがある

 実は気づいていた。少し驚いていた。開花宣言が出ても、この周辺の桜はぎゅっと蕾を固くしていることが常なのに、こんなこともあるのかと。  打って変わって、今年の東京の開花は昨年よりずっとずれ込んだのだが、園の前を通る遊歩道 […]

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近くの仲間、遠くの仲間

 当日は、予報通りの快晴だった。どんどんと気温も上がり、前日に心配していた風も止んでいた。絶好の卒園式日和…そんな言い回しは当園くらいだろうか。  間もなくに迫った開式に向け、着々と園庭に会場を設らえていくのだが、今年の […]

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「中の日」の歩き方

 「コマ台の枠が外れてしまって…。」  夕刻、保育者から声がかかる。コマ台とは、柔らかな土の上でもコマが回せるよう、プラスチックのパネルに木枠を取り付けた板台。園舎の修繕か何かで出た廃材を使って私が作ったものなのだが、そ […]

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ヒゲノート
「やりたくない」の向こう側

 子どもたちは本来、やりたがりで見せたがり。ただそれは、まだまだ身近な人たちとの安心感の中で、時に一緒にパフォーマンスなどすることで、それが周囲に共感されていることを実感する。  そして来月、それを親子で楽しむ「中の日」 […]

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